酸塩基平衡を図で理解――アシドーシスとアルカローシス
連載:国試サポートゼミ(第3回)
難解に感じる酸塩基平衡も、pHと呼吸・代謝の関係を整理すれば怖くありません。4つの病態の見分け方と代償の考え方を、国試目線でやさしく解説します。
酸塩基平衡とは
体は、血液のpHを弱アルカリ性の狭い範囲(およそ7.35〜7.45)に保とうと働いています。この範囲を外れると細胞の働きに支障が出るため、体はさまざまな仕組みでpHを調整します。国家試験では、この調整の破綻である「アシドーシス」と「アルカローシス」の理解が問われます。難しく感じられますが、仕組みを整理すれば得点源にできます。
pHを決める2つの要素
血液のpHは、主に次の2つのバランスで決まります。
- 呼吸性の要素:二酸化炭素(CO2)。肺で調整され、CO2が増えると酸性に傾く
- 代謝性の要素:重炭酸イオン(HCO3−)。腎臓で調整され、これが減ると酸性に傾く
CO2は「酸」の側、HCO3−は「塩基」の側と覚えると、全体像がつかみやすくなります。
4つの病態
pHが酸性に傾くかアルカリ性に傾くか、その原因が呼吸か代謝かで、4つに分類されます。
- 呼吸性アシドーシス:CO2が排出できず貯留する(呼吸抑制、換気障害など)
- 呼吸性アルカローシス:過換気でCO2が過剰に排出される
- 代謝性アシドーシス:酸が増える、またはHCO3−が失われる(腎不全、下痢、糖尿病性ケトアシドーシスなど)
- 代謝性アルカローシス:酸が失われる、またはHCO3−が増える(嘔吐など)
それぞれ「pHがどちらに傾くか」と「原因が呼吸か代謝か」を組み合わせて考えます。
代償のしくみ
体はpHの偏りを元に戻そうとして、もう一方の系で調整を行います。これを代償と呼びます。
- 代謝性の異常には呼吸で代償する(例:代謝性アシドーシスでは呼吸を速めてCO2を減らす)
- 呼吸性の異常には腎臓で代償する
代謝性アシドーシスのときに深く速い呼吸(クスマウル呼吸)がみられるのは、この代償の現れです。
学習のポイント
- まずpHが酸性かアルカリ性かを判断する
- 次にCO2とHCO3−のどちらが原因かを見る
- 代償が働いているかを確認する
この順序で考える習慣をつけると、複雑に見える問題も整理できます。原因となる代表的な病態(嘔吐、下痢、過換気、腎不全など)と結びつけて覚えることで、応用問題にも対応できるようになります。
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